元・共産党幹部が、その原因を解き明かす。
Amazon上の画像にある帯につられ購入。
曰く「安倍さんは嫌い。でも、支持したい党がない・・・。」
別に安倍総理を嫌いではありません。好きでもありませんが。
以下【はじめに】より引用
いま、野党にとって最も困難な時代が始まっているように思える。二〇一六年三月、民主党と維新の党が合流して民進党が発足したが、国民の期待感はいっこうに高まらない。
その理由は、いくつかある。
一つ目は、民主党政権の失敗の後遺症がいまだ続いているということがある。
二つ目は、自由民主党の安倍晋三政権が比較的高い支持率を継続しているように、そもそも野党による政権交代への願望が存在しないことがある。
三つ目は、野党から自民党の政治をこう変えるという魅力ある提案がなされていないからである。
民進党の結党宣言や綱領(ともに三月三七日)なるものを見ても、自民党政治や安倍政権への批判がほとんどない。唯一、批判らしきものは、「憲法の平和主義がないがしろにされ、立憲政治が揺らいでい」と結党宣言で述べているところである。綱領にいたっては、自民党政治や安倍政治への批判はまったく書かれていない。
結党宣言では、「本日、我々は、強い危機感と使命感を持って、野党勢力を結集し、政権を担うことのできる新たな政党をつくる」と宣言しているが、自民党政権のどこに問題があるから、それをどう変えるのか。そのためにどういう手段で多数派を形成していくのか、という肝心なことが何も書かれていないのだ。
これでは、国民も期待のしようがないのである。
(中略)
国民が選挙において野党の党首に期待しているのは、どんな将来像を自分たちに提示してくれるのか、ということではないだろうか。
(以下略)
七章構成の本書目次より、各章のタイトルをご紹介します。
第一章 間違いだらけの日本の政党政治
第二章 なぜ自民党は最強なのか
第三章 なぜ民進党に頼りなさを感じるのか
第四章 なぜ「小沢神話」は崩壊したのか
第五章 なぜ共産党がカギを握っているのか
第六章 共産党ブームの落とし穴
第七章 野党につける薬
第六章より筆者が(おそらく)共産党在籍時に使った言葉を引用します。
「戦後、共産党を除くすべての政党が名前を変えた。どうしてかというと、あの侵略戦争に賛成したからだ。だから戦後、同じ名前で党を立ち上げることができなかったんだ。しかし、ただひとつ、この侵略戦争に反対を貫いたからこそ、共産党は戦前と同じ名前で戦後も活動ができるんだ。」
共産党にしてみたら、いまの名前に歴史と栄光を感じているわけである。それをイメージアップのために、簡単に変更することはしないだろう。
あ~、そうだったんだ。不勉強ってダメですね。知らなかったです。
なんでいまどき「共産」って言葉を続けるのか不思議だったんです。
どんな一冊なのかを紹介することはいたしません。興味をお持ちになったら、お持ちになったなりに読んでみてください。
最後に読了後に思ったことを一つ。
なんだかんだで、野党への叱咤激励です。