誰かが嘘をついている、というドラマを観た

誰かが嘘をついている - Wikipedia
痴漢・冤罪というテーマ、そして、水谷豊・宮崎美子平田満谷村美月といった比較的好きなキャスティング、愉しみにしていたのだが・・・
求めているモノが違うのかなぁ。

〜〜以下ネタバレあり〜〜
1.ドラマのタイトルは一体何であったのか?
誰も嘘をついていないドラマのようにみえましたが・・・
痴漢被害者である女子高生が、犯人を間違えたことによる冤罪事件だとは思いますが『嘘をついている』という表現は不適切だと思います。
冤罪の被害者である主人公が『嘘をついている』?? ドラマの根本を揺るがす嘘になりそうです。
主人公を支える家族、弁護士も『嘘をついている』理由がありません。
勤め先の同期・部下・・・
拘置所で知り合った彼は、冤罪を主張せず罪状を認めることで10日間の拘留で済んだのですから、唯一『嘘をついている』シーンですね。でも、ドラマのタイトルにするほど重要な登場人物ですか?? (重要人物たりえる一人だとは思いますが)
 
2.事件・裁判の後に目を向けたドラマはないだろうか?
ドラマの限界なのかなぁ、と。
今回でいえば、事件の被害者である女子高生は全く報われることがないまま終わっていますね。真犯人という存在そのものを忘れ去ったかのような扱い。
雑だなぁ。敢えて描かなかったと反論を受けるでしょうが、性的犯罪における被害者の心情をないがしろにしてるなぁ。
 
冤罪を被った人の、その後を採り上げないよね。
以下、陳腐であるのを敢えて承知で書きます。
今回のドラマでは、時計業に携わる主人公は依願退職という形で勤めた会社を辞めますが、その会社に再就職するシーンがあってもよかったのでは?
同期が本部長を務めているのだし、下請け工場との接点を主人公は持っていたのだから、そういった再出発を観たかったと思います。
再就職することが再出発の象徴だとは思わないのですが、

罪無き人が法治社会における一方的都合で、社会的弱者となりえる

のであれば、社会が、

それを形成する個と、個の集合たる社会

を、暖かく包むこと等による希望を観たいと思うのは、我儘なのでしょうか。