これほどまで読むのが憂欝なのも珍しい
- 作者: 佐藤雅美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/12
- メディア: 文庫
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その時のハイクがこちら。
一か月近く経つのか・・ その間買った本が数冊。
当然その数冊は読みたいから買っており、この一冊を読み終えないことには先に進めず。つまり積読化が進む一方。
しょうがないので読む事に。
あまりに癪なので、ここで内容を暴露し、扱き下ろそうと思います。
作者・編集者の目に留まることも無きにしも非ず、なので。
〜〜〜以下、ネタバレです〜〜〜
登場人物の整理
- 主人公(同心)
- 同僚(同心)
- 同僚の部下(19歳・同心見習)
名主の二男。持参金250両*1付きで武家に婿入り。あばた面。
- その嫁(同心の家に産まれる)
- 嫁の父(舅、婿を迎え隠居)
新婚である部下(以下、婿)・嫁の夫婦問題が事の起こりです。
あばた面である婿との夫婦生活が我慢ならない嫁が家を出て、舅宅に逃げ込みます。
迎えに来ない婿に業を煮やした舅が行ったこと、それは、
婿は町家の為になると考え、川底浚いを行おうと、奔走します。*2
この時に「酒食の接待を受けていた」と告発。
したのです。
告発においては「酒食の接待を受けていた」
別の個所では「酒食をご馳走になっていた」
とありますが、告発が出た以上、今も昔も接待はけしからぬこと、となり、婿は免職されてしまいます。
何が許せないか。
夫婦問題と、婿の仕事とを混同した作品を作ったことです。
逃げた嫁を追いかけない婿が悪いのであれば、そこに絞った作品を書くべきでしょう。
そこに、公の為に動いていた婿の努力を蔑ろ*3にする必要性はないと考えます。
酒食の接待が悪い? 確かに。
では貴方は*4接待を受けたことがないのか?
19歳の青年にそれを認識させることが出来るよう、貴方の子供にそれを教育出来ているのか?
認識させる為にそれまでの人生全てを失わせてもかまわないのが、貴方の教育なのか?
そこに夫婦問題を絡める必要性がどこにあるのか?
これから、次のエピソードを読もうと思います。
一冊読み終えて、作中において何のフォローもされていないようなら、このシリーズを読むのは最後とします。
佐藤雅美氏の作品も二度と買わないでしょう。
数多くの時代小説を読んできたと思いますが、
ここまで質の悪いエピソードは初めてです。
2011.10.6 追記
先ほど読み終えました。
悪いことは重なる、とはよくいったもので、胸糞の悪くなるエピソードがもう一点含まれていました。
詳細は省きますが、
悪事はばれなければ罪に問われない
といった結末を含むエピソードです。