奇面館の殺人 読了

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

この作品で衝撃のデビューをしてから20年以上が経つ作者のシリーズ最新作が、こちら
奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

この館シリーズも、ここ数作はファン以外には受け入れられないのではないか?と邪推してしまう作品でしたが、今作では安心ブランド復活! を印象づける作品でした。

新本格推理における作風の一つに【読者への挑戦】というものがあります。
作者は、有栖川有栖氏と「安楽椅子探偵」シリーズなる映像作品における推理作品を手掛けていらっしゃるのですが、映像化という経験が氏の作風をより大きくしたのではないでしょうか。
それ程に、今作では読者の目を強く意識した仕上がりになっています。

館シリーズならではの仕掛け、
最後に明かされる秘密、
は苦手な人にはちょっとキツいかもしれませんが、
作者が読者に対してこれ程真摯である作品は決して多くない!と思います。

シリーズも残すところあと一冊となりました。
(全10巻とのこと)
最終巻をどのような館で彩ってもらえるのか、楽しみでなりません。