業界誌のコラムより

最初にお断りいたします。
本日の記事は、後日加筆する可能性が多分にあります。*1
 
私は、温泉旅館で10年勤め、現在ビジネスホテル勤務が1年経過したところです。
現職場では業界誌である「週刊ホテルレストラン」という雑誌を定期購読しているようです。*2

リンク先では【日本でただひとつのホテルレストラン経営情報誌】と書かれています。
私の手元にある誌面表紙には【豊富なデータと最新情報で業界のリーダーをバックアップ】とあります。

 
前置きが長くなってしまいました。
先日、職場の休憩所にバックナンバー(2010.5.7号)が置いてあったのですが、
「FROM THE PUBLISHER」として【クレーム処理】というタイトルの記事がありました。
旅館勤務時に担当していた内容でもあったので読み、ここにご紹介いたします。
(省略・強調等は著者の思うところを、私が損なう恐れがある為行っておりません。)
(句読点・改行位置は原文のままです。改行により原文で一行の文章が複数行になるリスクを減らす為、文字サイズを小さくしております。)
以降、原文紹介です。
 日本を代表するホテル内レストランでのこと。
その晩、友人は母親の誕生日を祝うため、予約を入れたレストランに行った。店に
着くとレセプショニストは不在で、入り口付近でワインを開けていたソムリエらしき
スタッフが、仕事をしながら「いらっしゃいませ」と声をかけてきた。来店した客を案
内するでもなく、そこで待たせたままである。
テーブルに誘導され、席に座ると同時にドリンクのオーダーをする。
シャンパン2杯をグラスでお願いします」と伝えたが、待てど、暮らせど、何も出て
こない。が、隣のテーブルに目をやると、後から座ったにもかかわらず、既にテーブ
ルにはビールが置かれているではないか。友人は、母を祝うために来ているのだから
最初から怒るまいと、必死に気持ちを抑えた。
友人は、同じ黒服を呼んで質問した。
「先程お願いしたシャンパンのオーダーは通っているのでしょうか」と。
黒服は「あっ、すぐにお持ちします」と答えたが、「それを聞いているのではない」と友人
は言う。そして、「私はこのホテルで結婚式を挙げ、長年にわたって家族で利用している。
何より母の好きな店だから今夜を楽しみに、そして大いなる期待をしてきている」と続け
た。その後、黒服は低姿勢になり、ほかのスタッフもずいぶん気を遣ってくれたそうだ。
クレームの問題の処理を任せられている支配人=黒服であれば、もう少し何かでき
たはずである。シャンパンを無料提供するとか、デザートを出す(これは嫌いな方に
は逆効果だが)とか。
先日、私はランチタイムにスタッフが1人で25席を切り盛りしているカレー店へ行っ
た。急いでいたので、後から来た人のオーダーが先に入ったのを見て、「すいません、
私の方が先に待っているので、後から来た方へ先に出されるとちょっと悲しいな」と一
言伝えた。するとスタッフはその後、すぐに私のオーダーを持ってきてくれ、さらに
何度も謝意を示してくれた。帰りに代金の850円を支払おうとしたら、「本日はご
迷惑をおかけしたので500円で結構です」とスパッとオファーしてきたのである。
街中のカレー店にこれができて、一流と言われているホテルのダイニングでもう少
し何か失敗や問題へのフォローはできないものだろうか。もちろん、これは個人の力
量にもよるだろう。できる人はどんな環境であっても必ずその過ちや問題を解決し、
バーしようと最大限考える。しかし、普段からそんなことを考えていない人は、「謝
ればすべて解決する」と思っている。過ちは起こらないに越したことはない。しかし、す
べて人間がやっていること。問題は、ことが起こったとき、どう対応するか、である。
紹介終了です。
 
唯一の経営情報誌が、クレームに対して「金品による戻し」を推奨するとは、あまりに情けない。
お客様からクレームを頂いたときに、
 金銭返還(全額/一部を問わず)の要求、
 誠意をみせなさい という一言
が無くならない筈。業界側にこういった考え方の持ち主が居るのだから。*3
 
悲しい出来事

*1:加筆・修正・削除については、その旨を明記するようにします

*2:雑誌概要については、リンク先が出版社となっておりますのでご参照ください。

*3:筆者は、出版社の代表取締役社長でした